会長ごあいさつ


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トルコと日本の関係には、19 世紀までさかのぼる深い歴史的過去があります。アジア大陸の東と西の両端に位置する両国はそれぞれに長い歴史を有し、独自の文化遺産を今日まで守り続けている国として、地理的には離れてはいても、両国の友好と協力関係がいかに強固であるかは、歴史に刻まれた記憶が示しているところです。

1887 年の小松宮彰仁親王によるイスタンブール訪問の後、日本を訪れたオスマン帝国海軍所属の軍艦エルトゥールル号が、1890 年9 月16 日に帰国の途上で日本近海にて沈没し、約600 名の海兵が殉死しました。この悲劇的な海難事故は、トルコと日本の友好関係の象徴として記憶に刻まれました。救出された69 名のトルコ人海兵に日本の人々が心を寄せ、また殉死した海兵たちの遺志を大切に守ってくれたことは、両国間の歴史上の友好関係の礎となりました。また、2011 年に両国で起こった地震で、この関係は新たな局面を迎えました。トルコ東部の街ワンで起こった地震の救援活動中に、余震で命を落とした日本人ボランティアの宮崎淳さんは、トルコと日本の友好の新たなシンボルとなりました。両国間にはあらゆる分野で良好な関係が築かれています。政治的関係は、近年実現した両国のトップ訪問によって弾みがつき、「戦略的パートナーシップ」のレベルに引き上げられました。経済と貿易の関係においては、経済連携協定(EPA)の締結の準備も整い、「マルマライ」、「シノップ原子力発電所」、「日本トルコ科学技術大学」などの共同投資事業もあって、さらなる進展に向かっています。

経済だけでなく、文化面での協力も重要な要素です。2003 年の『日本におけるトルコ年』、また2010 年の『トルコにおける日本年』で実施された数々のイベントは、双方の社会が互いをより身近に知るきっかけとなりました。またこの枠組みにおいて、両国の外交関係樹立90 周年となる2014 年と、エルトゥールル号海難事故の125 年目となる2015 年は、それぞれに重要な節目の年でした。民主主義、司法国家、人権尊重など普遍的な価値観を共有するトルコと日本の間では、国際分野での協力関係もますます強まっています。地球規模で両国によって実現される共同事業は、世界平和と安定への貢献が認められているところです。

私たちはエーゲ輸出機構(EIB)として、様々なセクターで活動を行っており、8000 社近い加盟企業と共に、国内外でトルコを代表するミッションを遂行するリーダー的な団体として、諸外国との貿易を発展させる取組みを続けています。

トルコの農産物と食品輸出量の内、約20%がエーゲ輸出機構を通して実現しています。エーゲ地域の主だった産品は、レーズン、ドライ・フィグ、ドライ・アプリコット、オリーブオイル、穀類製品、果実、ハーブなどであり、これらのほとんどが昨今のトレンドである有機栽培で生産されています。日本でもおなじみのグレープフルーツやレモン、ピクルス、ドライ・トマト、小麦、ブルグルなども、世界最高品質の製品をこの地域で産出しています。

二つの友好国の間を隔てる距離という不利を、高品質で健康的なトルコ食品が乗り越えてくれるであろうことを心から信じ、また、歴史からもたらされた両国の強力なつながりが日ごとに強められ深まっていくことを願います。


サブリ・ウンルトゥルク
エーゲ輸出機構 会長




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