柑橘類 / citron

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原産地は東南アジアとされる柑橘類の今日的な生産は19世紀のアメリカで始まり、急速に拡大しました。柑橘類の栽培は北緯40度~南緯40度の間で行われており、世界で最も多く栽培・消費されている果実です。柑橘類には、オレンジ、レモン、マンダリン、グレープフルーツといった「シトラス」類に属す種が含まれます。これらの植物は果肉が食用として使用される以外にも、皮や葉、花などから香水に使われるエッセンシャル・オイルも抽出できます。
トルコでは柑橘類の栽培は共和国樹立以降急速に広がりました。柑橘類栽培にとって、トルコの環境的な条件は非常に適しております。トルコで栽培される品種の大部分はイタリア由来のものです。
トルコで2013年時点で最も多く生産されているのはオレンジで(48.4%)、続いてマンダリン(25,6%)、レモン(19.7%)、グレープフルーツ(6.2%)となっています。
トルコで柑橘類の95%を生産するエーゲ・地中海沿岸地域は、主に3つの区域に分けられます。各地域でそれぞれ異なる品種の栽培において専門化しています。
第一がトルコ南部アダナ近郊のチュクロバ、第二がトルコ西南部地中海沿岸のアンタルヤ、そして第三がエーゲ海に面したイズミルです。

2014年、378万トンの生産量で、トルコは地中海域最大の柑橘類生産国となりました。
トルコの青果物輸出全体において、柑橘類は輸出量としては45%で最重要品目であり、輸出額としても39%を占めています。
柑橘類輸出国の中ではスペイン、南アフリカに次いで世界第三位です。
トルコの2015年柑橘類輸出量は153万6737トン、輸出額は8億418万ドルです。

日本に輸入されているトルコ産柑橘類は、2016年7月時点でレモンとグレープフルーツですが、レモンの最大生産地はメルシン、グレープフルーツはアダナです。

レモン


いくつかの説によると、レモンはフラボノイド化合物が含まれるとも言われています。これらは抗酸化作用と抗がん作用を持っています。がん細胞の成長を妨げます。ビタミンCを多く含むため、レモンは代替医療で秘薬として使われることもあります。トニックとして胃腸機能の消化システムの薬に、また免疫システムや皮膚にも効果があります。インドのアーユルヴェーダでは、コーヒーカップ一杯の熱いレモン水を飲むと腎臓が浄化される、と信じられています。アロマセラピーにおける働きを日本の研究機関が調べたところ、レモンのエッセンシャルオイルを揮発させるとマウスのストレスが減少したことが分かっています。


グレープフルーツ


花は白っぽく、果実は大きな丸形、明るい黄色、皮は薄く果汁が豊富です。種あり、種無しがあります。果実のスライスから果皮を取り除けば苦みはなく、食べやすいです。
果実は食品として利用されます。ビタミンCが豊富です。果皮からマーマレードが作られます。
消化を促進し便秘を防ぐグレープフルーツはまた、殺菌効果もある有効な食品です。


柑橘類の効果・効能


ビタミンや食物繊維が含まれる柑橘果物は、人の健康に良い影響をもたらすことが世界的に認められています。
ビタミンCの宝庫というだけに留まりません。ビタミンCのほかにビタミンB、カリウム、カルシウム、マグネシウムも含まれます。繊維、有機酸、糖も多く含まれます。これらすべての豊富な内容物がガン予防から血液浄化、肝機能強化から美肌効果まで、実に多くの効果があることが科学的な検証によって明らかとなっています。
ビタミンCとビタミンBが多く含まれる柑橘果物は、血管を柔らかく保ち、血管の詰まりを防ぎます。体の抵抗力を高めます。血行不良や浄化を助けます。消化を良くし、エネルギーを与えます。

柑橘果実には、ビタミンB群の葉酸も含まれます。葉酸は、妊娠期間中、特に初期の三か月で非常に必要で、赤血球の形成を助けることで知られています。

繊維質は消化システムを整え、いくつかの種類のがんや心臓病にかかるリスクを低減させます。

科学的な研究によると、ビタミンCは人体で生成されず、一日に50-70mg摂取する必要があると言われますが、オレンジ1個には90mgビタミンCが含まれます。喫煙者や感染症にかかっている時はビタミンCの必要量はほぼ倍増します。朝食時の1杯のオレンジジュースは、一日のスタートをダイナミックに始めることができ、また様々な病気を防ぐ理想的な方法であるといわれています。

グレープフルーツやオレンジの中には、果肉が濃い赤色をしているものがありますが、これは豊富に「リコピン」を含むことを表しています。この有効なカロチノイドは、前立腺がんをはじめとする様々ながんに対して予防効果があることが知られています。リコピンは抗酸化作用も持ち、皮膚や体の老化を遅らせる、非常に優れた栄養素です。